看護師長のお給料

看護師長は、その名の通り部署内の看護師の長として場を取り締まる責任があります。何か問題やトラブルが起こった際には迅速な対処を求められますし、新任看護師の教育や相談役など、多くの仕事や役割を掛け持っています。

 

それなら普通の看護師よりも高い給料をもらっているのでは?と思われがちですが、案外そういったわけにもいかないようです。

 

普通の看護師と看護師長の平均給料を比べると、30代で約2万4千円、56歳以降の大ベテランになってようやく7万5千円ほどの差が出てくる程度です。

 

「5万円も違うのなら十分じゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、一般企業で役職がつけばこれより明らかな差がつきます。役職や企業によっては倍以上の額になることもあるといいます。

 

それを考えると、師長という責任の大きい役職に就いて5万円の増加というのはいささか少なく感じるのではないでしょうか。

 

なぜ看護師長の給料はあまり上がらないのか

では、なぜ看護師長の給料はあまり上がらないのでしょうか。
関係のありそうな要因はいくつか挙げられます。

 

復帰の機会が多い職である

まず、「看護師は結婚や出産した後でも復帰の機会が多い職である」という点です。
専門職であり資格をとって就く医療関係は一般企業のOLに比べ、一度退職してもまた職を探しやすいです。

 

しかし、仕事をしていなかったブランクの期間が長いと、過去の就業年数をなかなか考慮してもらえず、復帰後の給料は低くなりがちです。長年の経験があっても、それが金額に反映してくれない場合があります。

 

仕事の質や成果を評価しにくい

次に、「仕事の質や成果を評価しにくい」という点です。
一般企業は売り上げや利益など、明確な目標や指標と呼べるものがあるので、それらの数字が上がれば必然的に給料も上がりやすくなります。

 

しかし、医療機関にはこういった目に見える分かりやすい評価指標がないのです。それが原因となり、どれほど優れた看護師長であったとしてもその功績に見合った評価が出にくいものと考えられます。

 

そして、「人件費調整の影響」も大いに関係しています。病院は診療報酬が主な収入源なので、一般企業のように利益によって給料額を上下させることはできません。

 

人件費を固定し、そのうえで医師が何%、看護師が何%…といった具合に、割合が決まっています。その割合がもし崩れてしまうと、経営に大きな影響を与えてしまうので、たとえ仕事のできる有能な師長でも上げ幅は抑制されてしまうのです。

 

700〜1,000万円を受け取っている看護師長も

さて、ここまで「看護師長の給料と普通の看護師の給料は大きく変わらない」、と言うことを述べてきましたが、これはあくまで全国的な平均から推測した場合の話です。

 

そもそも看護師という職業は、同年代の他職業に比べて水準が高いです。40歳代の事務職の平均と比較すると約2倍ないしそれ以上の収入だと言えます。

 

病院の方針や求められている技術によっては、リーダーとして他の職員をまとめる役割にそれ相応の給料を出すところももちろんあり、年収ベースで700〜1,000万円を受け取っている看護師長もいます。病院の規模が大きいほど金額を挙げる傾向が強いようで、そういった施設に勤務すれば状況はずいぶん変わってくると思われます。

 

それに、昨今の不況や医療関係の人材不足などの諸問題により、看護師という職業はよりスポットを浴びる時代となっています。「女性の割合が多い職業」というだけでなく、社会的に最も需要が高まる職業のひとつともなり得るのです。

 

また、看護部のいない病院では看護師長が看護師内での最高責任者となるので、クリニックによっては高い収入を得られるようです。

 

そして、保健師助産師看護師法および看護師等の人材確保の促進に関する法律改正に伴い看護師の国家試験受験資格として「4年制大学卒」が基本となり、看護師長など管理職クラスの基礎教育が、大学院卒化へと変わることが予測されています。

 

こういった看護界の高学歴推進制度から、専門職の看護師の月収も増加していくこととなるでしょう。

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