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看護師が精神病院に転職するメリット・デメリット

看護師の精神病棟への転職について考える前に、まずは精神病院の実態についてお話ししたいと思います。精神病院は正式には「精神科病院」と呼ばれ、これは精神疾患の患者さんを入院させることのできる施設を有している病院のことをいいます。

 

精神科病院は総合病院でみられる他の科と違い、独立してひとつの病院として存在することが多く、なんとなく近寄りがたいというイメージもあって、精神科病院で働くことを想像するのは難しいかと思います。では、精神科病院の特徴について具体的にご説明しましょう。

 

精神科病院とは、精神疾患の患者さんの入院施設を有していると先ほど述べましたが、その入院施設は大きく「開放病棟」と「閉鎖病棟」の2つに分けられます。この2つの病棟のどちらに転職するかによって、その仕事内容は大きく変わってきます。

 

開放病棟とは、精神科病院において病棟の出入り口が1日8時間以上施錠されない状態となり、入院患者や面会者が自由に出入りできる構造を有する病棟のことをいいます。

 

開放病棟では、状態が安定しており、任意入院として入院している患者さんが生活しています。入院といっても、精神疾患で入院している患者さんは自由に体を動かせることが多く、ストレッチやガーデニング、卓球などの軽いスポーツなどのレクリエーションを日常的に行っています。

 

一方、閉鎖病棟とは、精神科病院で、病棟の出入り口が常時施錠されており、入院患者や面会者が自由に出入りすることができない病棟のことをいいます。閉鎖病棟に入院している患者さんは強制入院の方が多く、病状が安定するまでの間、閉鎖病棟での入院を続けます。

 

精神科病院に勤務する看護師は、一般の病棟のような医療的処置をすることは少ないですが、その業務内容は非常に多岐にわたります。また、体力が必要であるという点から、男性看護師の比率が高いことが多いです。年配の看護師も多く、新卒や若い看護師は第一選択として精神科病院に勤務する場合は多くないといいます。

 

看護師が精神病院に転職するメリット

では、実際に精神科病院に勤務するメリットについてご説明していきましょう。先ほど述べたとおり、精神科病院での看護師の業務内容は非常に多いのが特徴です。

 

これは、精神科病院で入院患者さんと最も接する機会が多いのが看護師であるという点から、恐らく想像がつくのではないかと思います。精神科で働く看護師の業務内容としては、まず、静脈注射や筋肉注射を含む薬物療法に使用する薬の管理があります。

 

また、精神疾患状態のために自分で身の回りのことをすることができない患者さんに対して、入浴介助や髭剃り、整髪など、セルフケアの介助をすることも精神科病院で勤務する看護師の大切な業務のひとつです。精神科の患者さんは精神症状が悪化すると、意識障害を起こす場合もあり得るため、バイタルチェックをはじめとする身体管理も必要となります。

 

また、精神的に危機的状況にあり、自殺・自傷行為・暴力などを図る患者さんの危機を回避できるように患者さんの動向を常に見守ることも重要です。

 

身体的な治療を主とする内科や外科とは異なり、精神科ではうつ病、認知症、統合失調症などに悩む患者さんの心を癒し、支えるのが最も重要な仕事です。
先ほど述べたような多岐にわたる業務には、看護師としての知識・技術・経験が必要となります。精神科病院で勤務することによって、自分自身のスキルの大きな向上を望むことができるでしょう。

 

看護師が精神病院に転職するデメリット

一方で、精神科病院へ転職することには少なからずデメリットが存在します。精神科は医療行為が少ないということは紛れもない事実であり、一般病棟で必要となる看護スキルを身に付けようと思う方にとってはスキルアップの機会が少なく、物足りなく感じることもあるかもしれません。のちに一般病棟に再び就職するかもしれないということを視野に入れている方は、少ない処置行為のなかで意識的に研鑽することが必要となります。

 

また、精神科看護は患者さんとじっくり向き合うことができるということが大きなやりがいの一つですが、その反面で患者さんの虚言や暴言、時には暴力などに振り回されてしまうということがあります。患者さんとの適切な距離の保ち方が難しいと言われることも多く、より親身に患者さんに寄り添い、その心を支えてあげようとする看護師の方ほど精神的にストレスを抱えてしまうということがあります。

 

そして、精神科病院は閉鎖病棟という特殊な病棟を有しているため、その独特の雰囲気が自分には合わない、という方もいらっしゃるかもしれません。精神科病院へ転職する際には、このようなデメリットについても考慮する必要があります。

 

患者さんの心と正面から向き合うことになる精神科病院での勤務は、常に多くの葛藤がつきまとうことでしょう。他の診療科目に比べると体力的には楽だと言われることもありますが、精神的にはかなりの労働力が求められる仕事です。

 

しかし、精神科看護は主治医の指示が必要となる診療の補助よりも、患者さんを支えるという療養上の世話が大きな比重を占めているという特徴があります。これは言い換えると、看護師の力がそのまま治療の成果に直結するということを意味します。

 

患者さんとじっくり向き合い、信頼関係を築き、一歩ずつ回復へ向かうことの喜びをともに分かち合いたいと思う方は、是非、精神科病院への転職を考えてみてはいかがでしょうか。

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